けそのつらつら日記

考えたことをつらつらと記すブログ。書評メインの予定。

ダメなときほど「言葉」を磨こう 萩本欽一著 集英社

【感想】

お笑い芸人として知らない人はほとんどいないであろう「欽ちゃん」こと萩本欽一さんが記された本である。特に店頭に綺麗にポップ付けされて陳列されていたわけではないが、タイトルになんとなく魅力を感じて購入した。

著者がお笑い芸人として芸能界を生きていきたなかで痛切に感じた「人間の言葉」の重要性について、自身の経験に則って記されている。

特に印象に残ったのが第三章「辛い経験が優しい言葉を育む」である。阪神大震災の経験を結果的に社員教育になったとしてポジティブにとらえるJR西日本社長のお話が印象的な「不幸な出来事を不幸な言葉で語らない」や、過去の成功に執着せず次から次へと挑戦を継続することの大切さを説く「喜びは短く 悲しみも短く」など、弱卒の私にとって含蓄に富んだ内容ばかりであった。文章も読み易く、老若男女におすすめできる一冊であると感じた。